ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

パクリ編19/景勝や偉人その日本版

ネット徘徊していた折に、下の一文にひょいと目が留まりました。 ~「日本アルプス」とは、そこから見える山脈及びその周辺含めて、本家アルプスに  似た風景を備えていたので、とあるイギリス人がこれを「日本のアルプス」と  紹介したのが、その名称の由来~ そんなこと、筆者は知らなんだゾ。 それで思い出したのですが、そういえば、筆者の生息地・愛知県には 「日本のデンマーク」と呼ばれる(呼ばれた?)安城市も…

トンデモ編10/勇者の言動を現代の意識で

かなり大昔のこと、それは歴史と言うよりはむしろ伝説の範疇のものと捉えた方が 素直な気がしますが、第12代・景行天皇は最初の妃との間に、長男・大碓命、 次男・小碓命という名の双子の兄弟を儲けています。 ちなみに、景行天皇はかなりの「女好き」だったようで、この「最初の妃」以外にも 数多の妃を持ち、そればかりか、その間の子供の数もハンパではありませんでした。 その家庭環境をちょっと紹介すると、まあこん…

言葉編36/東西南北は歴史を飾る

方向方角を示す場合、一般的には「東西南北」を基準にするようです。 まあ、少なくともチョイ前まではそうだった気がします。 ところが、話は多少逸れますが、筆者なぞは実際にこんな光景を目撃したことが ありましたから、最近ではそうでもないのかもしれません。 それは、どうやら待ち合わせの場所に一足早く到着したのであろうと思われる若者の 行動でした。 携帯していたスマホが鳴り、彼はそれに出ます。 話の内容は…

ツッパリ編32/俺たちにミスはない国家

世界の中には、現代日本の現状から眺めてみると、奇妙なほど歪に感じられる国家も あります。 例えば専制政治の体制を取っている国家などがそれに該当しそうですが、筆者なぞは 少なくともその国家の国民になりたいとは思いません。 たとえ、なんだかんだの批判があったとしても、戦後日本は国家の在り方として、 国民に対する自由や平等や権利などを保障しているからです。 とは言うものの、その少し前までの日本はそうし…

大雑把編09/神の姿カタチとその居場所

神サマ仏サマ、つまり神道と仏教のその双方を有難く信心するスタイルは、いわゆる 「神仏習合」と呼ばれ、仏教伝来以来の日本民族の信仰は、ほとんどの期間そうした 形式で行われてきました。 つまり、神道の神サマも仏教の仏サマを区別することなく、信仰の対象となっている のですから、日本民族の信仰がいわゆる「一神教」ではないことは明らかです。 それどころか、神道には「八百万神」という概念があり、また仏教には…

異国編15/勿体無いはMOTTAINAIへ

今から二十年近く以前のことになりますが、とある日本語に注目が集まった出来事を ご記憶でしょうか? しかしまあ、何かと熱しやすくてそしてまた忘れっぽいというのが日本民族特有の 気性でもあるようですから、「もうすっかり記憶の彼方」という方も、おそらくは 少なくないことでしょう。 いえ、責めているわけではありません。 かくの如く申しておる筆者自身も、また結構に薄らボンヤリとした記憶しか残って いないの…

事始め編30/海外爆買いツアーの先駆者たち

何につけそれなりの「イメージ」というものが付きまとうもので、時にはその イメージによって、逆に真実の方を見誤ってしまうことさえあり得ます。 たとえば、平安時代に唐に渡った二人の留学僧、最澄(767-822年)さんと 空海(774-835年)さんについてもそうしたことは無きにしもあらず。 ちなみに、年齢を計算してみると最澄さんの方が7歳ほどアニさんということに なります。 後に、それぞれ伝教大師(…

もしも編14/ツキ男の今そこにあるツキ

海軍大臣・山本権兵衛(1852-1933年)が、連合艦隊司令長官に東郷平八郎 (1848-1934年)を任命したのは、日露戦争(1904-1905年)直前のことでした。 この時、明治天皇にその理由を尋ねられた山本はこう答えたそうです。 ~東郷は運の良い男でありますので~ 今風なら、~ツキ男ですから~ほどの感じになるのかもかもしれません。 その「ツキ」がいかんなく発揮されたのが、いわゆる「日本海海…

タブー編17/おなごの舞台は禍を呼ぶ

~日本固有の演劇である「歌舞伎」は、2009年にユネスコの無形文化遺産の  代表一覧表に記載された~ このような説明にぶつかると、その格式の高さに圧倒されてしまい、ついつい腰が 引けてしまうものです。  なにせ「神格化された伝統芸能」との説明ですからねえ。 ところがそのルーツをたどってみると、それほど怖気つく必要もない印象になります。 ~歌舞伎の元祖は、「出雲阿国」(1572年 - 没年不明)と…

お国自慢編18/歴史感たっぷりの駅名変更

筆者の生息地・名古屋では、本2023年1月4日から市営地下鉄の4つの駅の名称が 変更されました。   それには理由は二つほどあったようで、一つには「中村区役所」が新しい場所に 移転されたことで、それなのに駅名が従来通りに「中村区役所」駅のままでは さすがに不都合であるということ。 えぇ、この「中村」とは地元・名古屋民族以外はあまり意識していませんが、 戦国三英傑の一人である豊臣秀吉(1537-1…

信仰編24/宗僧は諍い合い宗祖は瞑想

筆者の生息地・名古屋には「八事山・興正寺」というお寺があります。 建立は1686年。 「尾張高野」とも称されており、また境内に現存する「木造五重塔」は東海地区唯一の ものとしても有名です。 さて、その「尾張高野」とは「尾張国の高野山」の意であることは一目瞭然、 モチのロンですが、別には「高野山真言宗 別格本山・八事山興正寺」という名乗り?も あるようです。 では、その「高野山」って? それが和歌…

迷宮入り編20/あれこれミステリアスな天皇

歴代を「○○天皇」と呼ぶ○○の部分のことを「諡号」(しごう)といいますが、 それは、こんな説明になっています。 ~貴人、僧侶の死後、その人の生前の行ないをほめたたえておくる名(諡名)~ そして、異説もあるものの、まあこんなところが通説だとされています。 ~初代・神武天皇から第44代・元正天皇までの全天皇(弘文天皇と文武天皇を除く)  の「諡号」は、淡海三船が一括で付けたもの~ ただ、この説明にツ…

逆転編28/異教の蹉跌と捲土重来

キリスト教が初めて日本に伝わった経緯はこんな説明になっています。 ~わが国におけるキリスト教の歴史は、1549年(天文18)イエズス会所属  スペイン人のフランシスコ・ザビエルの鹿児島渡来に始まる~ キリスト教の直接的な起源は、紀元1世紀中頃にイエス(伝:後1~33年)の 死後に起こった弟子の運動にあるとされていますから、日本に伝わるまでには 結構な時間を要したことになります。 もっとも、その意…

トホホ編36/探しに探した落とし物

唐突な運びですが、ここで二人の天皇に並んでいただきました。 ○第81代・ 安徳天皇(1178-1185年)/在位:1180年~1185年 ○第82代・後鳥羽天皇(1180-1239年)/在位:1183年~1198年 先代天皇と、その後継天皇ということになりますが、よく見ると、この二人の 在位期間が二年間ほど重なっています。 つまり、同時に二人の天皇が存在していたわけで、えぇ、これは史上初めての状…

付録編20/あの黄金、どうしたでしょうね?

よく知られた史実でも、「その後」については無頓着のままでいることも案外に 少なくないようです。 筆者の場合なら、たとえば「奥州黄金」もそうしたことの一つなのかもしれません。 その「奥州黄金」とは、いわゆる「奥州藤原氏三(四)代」の時代(1087-1189年)に その地でメッチャ豊富に産出された金のことを言っています。 なにしろ、ヴェネツィアの商人マルコ・ポーロ(1254頃-1324年)の著書『東…

女性編31/人形がアニメなら女形はCGかも

現在では芸術と見做されている「歌舞伎」にも、ここに至るまでにはそれこそ 波乱万丈・紆余曲折というべき難儀な時期がありました。 それを乗り越えたからこそ現在の「栄光」を手にしているわけですが、では その難儀とはいったいどんなものだったのか? ちょいと覗いてみることにしましょう。 お話は1603年から始まります。 日本史においては、徳川(江戸)幕府が創立されたとされるこの年、北野天満宮の 舞台に一人…

事始め編29/ 天体観測家?国友一貫斎

たまたま観た某TV番組で「国友一貫斎」なる人物を知りました。 まったく知らない名でしたが、多様な才能を備えていたとされ、その番組では 「江戸のダ・ヴィンチ」という副題まで用意されていました。 その「ダ・ヴィンチ」とは、あの「レオナルド・ダ・ヴィンチ」(1452-1519年)を 指していることは明々白々ですが、念のためにそのプロフィールを覗いてみました。 すると、 ~イタリアの画家、彫刻家、建築家…

ライバル編11/源氏と平家の氏と家

現役学生である愛子内親王が満21歳の誕生日(12月1日)を迎えられた際に、 こんなお言葉があったことが報道されました。 ~関心のある分野はいまだ模索中といったところではございますが、以前から  興味を持っておりました『源氏物語』などの平安時代の文学作品、物語作品を  始め、古典文学には引き続き関心を持っております~ へぇ凄いなぁ。 そう思ってさらに探ってみると、その学籍はなんと 「学習院大学文学…

謎解き編34/日本民族の秘めたる信仰心

日本民族は無宗教・無信仰である。 こんな意見もあるようですが、筆者的にはこれはちょいと違うのではと感じています。 むしろ、真相はこんな風に言えそうな気もしているのです。 ~日本民族はメッチャ強力な、それもいくつかの信仰心を有している~ 例えば、大晦日には除夜の鐘の音に触れ、新年には神社へ詣でるなどの行動は、 仏教と神道の両方を受け入れていることの分かりやすい例として、割合よく 挙げられます。 し…

怪人編25/戦闘巧者だが常識オンチでも

戦闘にメッチャ強かった、あるいは巧みな戦運びだったと評価される人物は歴史の 中に少なからず登場しています。 そうした人物を、少し探ってみると、共通して「常人を超えた能力」を備えていた ことが強調されていることに気が付きます。 しかし、これはある意味当然なことで、「平々凡々」の能力しか持っていない人物を 「戦闘巧者」とは呼ばないからです。 「常人を超えた能力」を備えているからこそ「戦闘巧者」との評…