ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

忘れ物編36/外来語をカタカナで書く

ネットを彷徨していて、ひょっこりこんな文章に遭遇しました。 ~漢字が伝来する以前の日本には固有の文字がありませんでした。  そのため人々は神話や伝承などを暗記して口頭で語り継いでいました~ へえ、それが通説になっているのか。 ところが筆者はそのようには考えず、こう受け止めているのです。 ~漢字が伝来する以前の日本にも固有の文字はありました。  ただし、それは漢字のように「筆記方式」ではなかったか…

トホホ編38/アウェイ戦争はてんで苦手です

現在の日本民族は海に囲まれた「島国」に住んでいます。 日本という名称がまだなかった頃のご先祖様たち(大和民族)も、その点は同じで 長らく列島(島国)住まいを続けてきました。 さて、そうした列島民族のライフスタイルを、陸続きの大地に住む他民族と比較して みると、こういうことが言えるのかもしれません。 ~列島民族は、大地に本拠を構える民族に比べたら、他民族に遭遇・接触する機会も  少ないために、その…

付録編23/名称名前のあれこれ御作法

さて、どのように言ったらよいものか、そうした方面の話題にとんと疎い筆者には 判断が付きかねますが、児童虐待、性加害犯罪、人権蹂躙などの表現をもって 昨今盛んに取りざたされているいわゆる「ジャニーズ問題」です。 現在では、お話はどうやら事務所の名称を変える、変えないというところまで きているようです。 ああしたことが数十年という長期間にわたり執拗に繰り返されていたとするなら、 それだけで「J事務所…

偶然編04/ツキあって超国難をクリア

~この日本に元の大軍が二度(文永の役1274年/弘安の役1281年)まで侵略を  仕掛けてきたが、いずれとも失敗に終わった~ 「元寇」あるいは「蒙古襲来」ともいうこの出来事に対して、日本人が持つ平均的な イメージはこのくらいのものかもしれません。 しかし、これを間違いとすることまではできないでしょうが、これだけではこの 出来事が真に「国家的危機」だったという認識には至っていない印象です。 そう、…

パクリ編20/過ぎたるものが二つあり

~治部少(石田三成)に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城~ これを戦国時代の日本の武将である石田三成(1560-1600年)に対する評価だと 受け止めると、こんな印象にもります。 ~参謀役の島左近(生年不詳-1600年)と領地の佐和山城は、石田三成という人物には  ちょっとばかりもったいないのではないか~ そこで、少し話題を広げる形でここに登場するそれぞれに関連した事柄を追ってみると …

デジャヴ編30/外圧がその扉を開いた

鎖国政策下の江戸時代の日本が外国との接触を一切絶っていたかといえば、 実はそうでもありませんでした。 俗に四つの口と言われるように、長崎ではオランダ・中国を相手として、 琉球相手なら薩摩で、朝鮮だと対馬で、さらに蝦夷地では蝦夷を相手にそれなりの お付き合いはしていました。 ではきっちりそれだけに限られていたかというと、そういうことでもありません。 海のただ中に浮かぶ島国ですから、お付き合いのない…

言葉編38/倭と大和と日本の誕生

筆者が生息中のこの国のグーンと昔の姿を伝えているとされるのが、いわゆる 「魏志倭人伝」です。 ただし、これだけで独立した歴史書というわけではなく、少しマニアックな説明なら、 こうなっています。 ~中国の正史『三国志』のうち、『魏書』巻30の中にある一伝「烏丸鮮為卑東夷伝  (うがんせんびとういでん)」にある倭人条の略称である~ うへぇ、メッチャややこしい説明で到底頭に残りそうもないのですが、そこ…

列伝編22/僧衣者の自分の性の示し方

今回のお話は少し性が絡んだ話題になっていますので、年端もいかぬ皆サンの閲覧に ついては、保護者各位においての管理監督をお願いしておきます。 では何歳以上なら自由なのか、という御相談もあるかもしれませんが、正直そこまで 粘らなければならないほど濃い内容でもありませんのでご安心ください。 と一応の御断りを入れ、では本題に。 さて、最近の細かな定義までは十分な理解に及んでいませんが、男女の性別判定に …

ライバル編13/三里七里十里の渡しの風景

またまた今回も筆者の生息地・尾張熱田の話題になってしまいますが、決して悪意が あってのことではありませんので、そのへんはどうぞ良しなにご理解をお願いします。 さて、今回は江戸・日本橋から京・三条大橋に至る、いわゆる「東海道五十三次」に ついての話題を取り上げました。 出発地の江戸・日本橋を起点とし、次の品川宿を最初として、目的地である 京・三条大橋の、その一つ手前の大津宿までの間にある全部で53…

災難編21/伝馬は次の宿場までを継ぐ

少し以前はそうでもなかったのに、最近やたらと耳にするようになった言葉の ひとつに「インバウンド」(Inbound)があります。 その意味は、~外国人が訪れてくる旅行のこと~になるのだそうです。 だったら、わざわざカタカナ用語にしなくたって、それを言い表すのにふさわしい 日本語もあろうになぁ。 こんな錆びついた感想を抱いた筆者の頭には、たとえば「訪日外国人旅行」とか、 あるいは「訪日旅行」とかとい…

迷宮入り編21/奥州黄金その後の行方

よく知られた史実であっても、よく眺めてみるとその中には何かしら忘れ物をした ように感じられる出来事もないではありません。 たとえて言うなら、「AとBが・・・」で始まった説明が、その部分で途切れて しまって、この後がどうなのかの説明がないままの状態です。 一体どうしたのだ! 人によっては、「ええッ、転んだのか?」あるいは 「なんだとぁ、不味い豆腐でも食わされたのか?」 実際、こんなツッコミを入れた…

落胆編14/精進不可欠の渡世人稼業

大昔の話になりますが、東映時代劇映画「関の弥太っぺ」とか、あるいは、 異色のTV時代劇「木枯らし紋次郎」などが大きな人気を博したことがありました。 いわゆる「渡世人」と呼ばれた方々です。 しかし、現代人のほとんどは、この言葉くらいは聞いたことがあるにせよ、 「渡世人」といわれる人々の日常の生態?ともなると実はあまりよく知りません。 そこで、興味津々とばかりにこの「渡世人」についての説明をちょいと…

トホホ編37/昔の最新科学も今じゃ俗信迷信

突然にこんな質問を向けられて、すんなり答えることができますか? ~「俗信/迷信」って、いったいどんなことですか?~ 仮にアナタにはそれが出来たとしても、自慢ではありませんが、筆者などは的確に 説明することは出来かねます。 そこで、早速カンニングに及ぶのですが、そこには繊細な説明文がありました。  こんな具合です。 ~(迷信とは)俗信のうち、社会生活に実害を及ぼし、道徳に反するようなものを  常識…

微妙編14/人間の性も多様化する時代

久しぶりのことでしたが、町内長老のご尊顔を拝する機会がありました。 お達者でなによりでしたが、不意打ち気味にこんな挨拶が降ってきたのです。 ~昨日のTVニュース見たかい?~ いきなりTVニュースに話を振られても、世間並みの話題しか筆者の頭には思い浮かび ません。 そこで遠慮がちに逆質問を。 ~昨日のTVニュースって、殺人級猛暑のこと?  それとも、某中古車販売経営陣の記者会見のこと?   はたま…

信仰編16/天変地異への民族理解

「天変地異」とは、このくらいの説明になっています。 ~天変とは天空に起こる変動、地異とは地上に起こる変異。   要するに、天地の間に起こる自然の異変のことで、風、雨、雷、日食、月食、  彗星や地震、洪水などのことをいう~ では、こうした「天変地異」に遭遇したとき、それぞれの民族はそれをどのように 受け止めてきたのだろうか? なにげのことに、こんな思いが筆者の頭に浮かんでしまったのです。 そこで今…

付録編22/年代表記のお作法あれこれ

年代を言い表す方法として現代日本でよく用いられているのは、世界標準に なっている感もある「西暦」と、それにもうひとつ、日本独自の元号を用いる 「和暦」の二種類ということになるのでしょう。 でも、「西暦」と「和暦」って言葉、ヘンチクリンな対比になっていますねぇ。 西洋に対して東洋ということなら、西洋の暦すなわち「西暦」に対して、 東洋の暦「東暦」という表現になりそうなものですが、そうなっていないか…

陰謀編36/鎮魂は知らぬ存ぜぬで

西の「奈良の大仏」サマと比較されることも多い、東の「鎌倉の大仏」サマに ついて、Wikipediaではこのように説明しています。 ~神奈川県鎌倉市長谷にある浄土宗の寺院である高徳院の御本尊は  銅造阿弥陀如来坐像の鎌倉大仏(国宝)~ この説明の範囲だけでも、たとえば浄土宗とか、あるいは阿弥陀如来など、 実は筆者自身の知識が十分に及んでいないところもあります。 しかし、そこは堅いことを言わず、ちゃ…

忘れ物編35/ヤマトの王権継承スタイル

いわゆる「魏志倭人伝」と呼ばれる歴史書には、「倭国」及びその統治者である 「女王」について、このような紹介がされているようです。 ~その数三十ほどの国の集合体である倭国。 女王・卑弥呼はその都である  「邪馬台国」に居住し、「鬼道」を巧みに操って民衆に接していた~ これより少し前、つまり二世紀後半頃の倭国では長期にわたる内乱が起こっていた とされています。 いわゆる「倭国大乱」です。 しかし、そ…

タブー編18/触らぬ神へのいろいろ大作戦

原典ではメッチャ難しい言葉が並んでいるようですが、それを口語に直すと、 ~豊かで瑞々しいあの国は、わが子孫が君主として治めるべき国土です。  わが孫よ、行って治めなさい。 さあ、出発しなさい。   皇室の繁栄は、天地とともに永遠に続き、窮まることがありません~ これくらいの意味になるそうです。 これが天孫降臨の際に天照大神が皇孫・ニニギに賜った、いわゆる 「天壌無窮の神勅」です。 そして、ここに…

謎解き編35/武の字諡号の天皇事情

~主に主に帝王・相国(国家元首)などの貴人の死後に奉る、生前の事績への  評価に基づく名のこと~ このように面倒臭く説明されている「諡号」(しごう)とは、別の言葉なら 「諡」(おくりな)ともいい、「贈り名」を意味するとあります。 たとえば、最高格の貴人といってよい天皇は、死後に「〇〇天皇」という呼ばれ方を しますが、その「〇〇」に当たる部分が、実は「諡号/諡名」ということになります。 ただ、そこ…