ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

誤算編21/不便な礼装にはワケがある

長さを示す一対の言葉として最初に思い浮かべるのは、やはり「長/短」になります。 ところがこれには例外もあるようで、たとえば衣料系などは「長/半」になることが あります。 たとえば、シャツの「長袖/半袖」がそうですし、最近はあまり使われなくなった 言葉とはいえ、「長ズボン/半ズボン」もそうなっています。 で、その「長ズボン/半ズボン」の見た目についての説明は、このくらいになるので しょうか。 〇長…

タブー編21/神器をあれこれ詮索する

いわゆる「天孫降臨」は、一般的にはこのくらいに説明されるようです。 ~皇室の御先祖が高天原から天降り、この国を豊かにそして平和に治められていく  様子を語り伝えるもの~ そしてこの際に天照大神から弟の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト/以下ニニギ)に 授けられたとされるのが「三種神器」です。 その「三種神器」とは鏡・玉・剣の三種を指し、それぞれは以下のような名称で呼ばれ、 さらには、このようなモノであると…

付録編26/男も女も座り方を変えた

いまさらの感がありますが、いくつかのTV時代劇を観て、ひょいと気が付きました。 ~戦国時代と江戸時代の武士の座り方には違いがあるゾ~ もっともソファーに腰を下ろすシーンはあまり見かけませんから、つまりは 正座(せいざ)と胡坐(あぐら)のことになります。 「正座」というからには、これが日本人のその昔からの「由緒正しい座り方」という 意味だとばかり思い込んでいましたが、ところが真相はどうもそうでもな…

ツッパリ編34/反骨将軍のアリバイ工作

自らが創業して以来、長きにわたってワンマン体制で臨んできた初代社長は、 二代目以降の後継社長について、こんな腹積りを持っていたようです。 ~弱肉強食の時代も終わってのだから、ワシのようなワンマン経営はもう必要が  なくなった。   だからして、次代以降の社長たちは経営実務を重役連中の合議に任せ、その結果を  黙って決済するだけにせよ。  ええか、これが会社を永続繁栄させる秘訣だぞ~ 実際その後の…

忘れ物編37/民族のお日サマ好き症候群

世界の中でも、これほど「太陽/お日サマ」にこだわりを持つ民族はそうそういない のではないでしょうか。 えぇ、この列島に棲んでいる、いわゆる「日本民族」のことです。 まず、その国の名前からしてが、「日本」(日の本)にしているという厳然たる事実が あります。 そして、この「日」ってのは、まさにその「太陽/お日サマ」のことですものねぇ。 歴史的に見るなら、それこそ「倭国」とか「邪馬台国」とか、あるいは…

偶然編05/昔日の医術・病気に鉢合わせ

つい最近のこと、思いがけない出来事が重なる経験をしました。 「重なる」という以上は、複数の出来事がほぼ同時に起きなくてはなりません。 筆者の場合だと、その一つ目がまずDVD映画で、二つ目がWikipediaでした。 普段はまずしないことなのですが、身の回りの片付け物に精を出したのです。 すると、数枚のDVD映画がひょっこり姿を現しました。 思わぬラッキーということもあって、保管状態の確認も兼ねて…

トホホ編39/建前だった?三界に家無し

「現代日本人」が「昔の女性の生活ぶり」を知る方法は、結局のところ書物・絵画 などの史料や、映画やTVドラマなどの作り物を通じてであり、これは仮想体験とは 言えても、決して実体験ではありません。 ですから、知った気分になっているだけだとも言えそうです。 その上に、江戸時代やそれに続く明治時代なぞは、多くの日本女性にとって、ある意味、 受難の時期だったとも理解されています。 その理由の一つには、江戸…

付録編24/米将軍の享保アブク飯

最近はあまり耳にする機会がありませんでしたが、ぼんやりTVニュースを眺めて いた時についつい思い出した言葉があります。 「あぶくぜに」・・・漢字なら「泡銭」と書きます。 そして、その意味は、 ~働かずに、または正当な労働によらないで、あるいは不正な手段によって得た金銭~ 勘の良い方は既にお察しかもしれませんが、えぇ、そのTVニュースは自民党派閥の、 いわゆる「パーティー券問題」を報じていたのです…

謎解き編37/生年未詳なれど数え11歳

~古典文学『太平記』の名場面のひとつで、国語・修身・国史の教科書に必ず載っていた  逸話であり、いわゆる戦前教育を受けた者には大変有名な話であった~ こんな説明に接したとしても、その「戦前教育を受けた者」になる方々が今や 絶滅危惧種?並みの現在では、その「大変有名な話」の有名度もイマイチよく 分かりません。 そこで、その『太平記』の名場面とはどのようなものなのか、Wikipediaを頼りに しな…

大雑把編11/古今と東西の出来事並べ

随分と迂闊なことですが、つい最近になって、日本と外国との相互間の、いわば 「歴史の同時性」という面で、筆者には随分と疎い面があることに気付いた次第です。 何を言いたいの? たとえば、こういうことです。 海の向こうでかのシェークスピアが活躍をしていたその時代に、日本国内では一体 どんなことが起きていたのだろうか?  面のために申し添えれば、そのシェークスピアとは、このシェークスピアのことです。 ~…

タブー編20/戦時の歌からイマを覗くと

(一応は)平和な環境にある21世紀の現代日本には、20世紀に親しまれた軍歌や 戦時歌謡曲がほぼほぼタブー視されているような雰囲気があります。 確かにその点には微妙なものがあるようで、誰かがついうっかり「ボクは軍歌が 大好きです」なんて漏らそうものなら、もうそれだけで「戦争好き/軍国主義者」と いうレッテルを張られかねない印象です。 でも、少し冷静に考えれば、推理小説のファンが必ず殺人狂というわけ…

怪人編36/乱暴者で図々しくて恥知らず

~武士Aが従弟であり同僚の武士Bの妻Cに横恋慕し、その挙句に殺人を犯した~ 現代なら、さほどに珍しいとも思われないお話ですが、「武士」が登場している のですから、お話は昔の昔のことに違いありません。 その辺にいささかの興味を覚え、今回ちょっと首を突っ込んでみることにしたものです。 さて、武士とは紹介されていますが、AもBもいわゆる「北面の武士」とのことです から、どうやら武士政権の鎌倉幕府が成立…

逆転編30/江戸幕府御触書の紆余曲折

江戸幕府の第三代将軍となった徳川家光(1604-1651年)の政治姿勢を眺めると、 少なからず「上から目線」であることに気が付きます。  家光の祖父である初代将軍・家康(1543-1616年)も、また父である二代将軍・ 秀忠(1579-1632年)も、かつては諸大名らと共に戦地を駆け巡った経験を持つ 人物です。 ところが、既に徳川幕府が成立した後に生まれた家光にはそうした経験は皆無です。 そこて…

デジャヴ編31/血統交代ありの万世一系

七世紀半ばから八世紀末に至る間に在位した歴代天皇の方々に、その代数順に 並んでいただくと以下のようになります。(数字は代数/女性天皇は女帝と表記) ~38・天智-39・弘文-40・天武-41・持統女帝-42・文武-43・元明女帝-  44・元正女帝-45・聖武-46・孝謙女帝-47・淳仁-48・称徳女帝-  49・光仁-50・桓武~ さらに付け加えておくなら、46・孝謙と48・称徳は諡号こそ異な…

陰謀編37/新権力が持つ厄介な性癖

ある種の原則、あるいはい通過儀礼と言っていいのかもしれませんが、歴史には ~新権力者は必ず旧権力者を悪く言う~ こうした性癖が厳として存在しています。  いささかみみっちい感じがしないでもありませんが、そうすることによって、つまり 「悪者を成敗した・失脚させた」という理屈由付けをすることで、自らの正当性が主張 できるのですから、これはある意味当然なことなのかもしれません。 言い換えれば、新権力は…

もしも編15/架空と実在は史料頼み

~犯罪などで被疑者・被告人が犯行に関わっていないことを推認させる間接事実の  一つが「アリバイ」( alibi)で、「現場(げんじょう)不在証明」とも訳される~ これが、犯罪ドラマなどによく登場する「アリバイ」という言葉の意味です。 さらに詳しく迫るなら、 ~犯行が行われた際、被疑者がその場に存在していなかったことを主張(現場不在証明)  し、犯罪の直接的な実行が不可能であったことを主張するのが…

信仰編18/地域神社のミスティック碑文

とあるヒマ人(実は筆者のこと)がネット徘徊していたら、筆者の生息地域にある 小さな神社に触れた記事に遭遇したと思ってください。  その神社はさほど有名でもない・・・というよりは、むしろまったく無名と 言った方が適切な印象です。 ただ筆者は以前からその神社の名称が珍しいこと、それに境内に立てられた小さな 石碑に彫られた文言、これらについて素朴な謎を感じていました。 そうではあっても、直ちに解決しな…

パクリ編21/思い付きで、街道をゆく

国民作家・司馬遼太郎(1923-1998年)による紀行文集『街道をゆく』は、 著者本人の逝去によって43冊目の「濃尾参州記」を最後に絶筆(未完)となりました。 それを読んだわけでもないのでよく知りませんが、タイトルはおそらく、 美濃国・尾張国・三河国を指しているのでしょう。 もしそうなら、筆者にとってもまるっきり無縁ともいえません。 なんでなら筆者は、えぇ生まれも育ちも尾張国の純血尾張人だからで…

冗談?編24/歴史用語で遊ぶ不埒者

日本で一番古い歴史書は「古事記」(こじき)だと、学校の授業で初めて教わった とき、筆者はその語感りから「乞食」(こじき)を連想してしまったものです。 今思えば、まことに不謹慎な所業でした。 もっとも、この「乞食」という言葉自体もあまり歓迎されるものではなかったようで、 後には、「差別用語/放送禁止用語」もどきの扱いを受けるようになっています。 例を挙げるなら、たとえば児童文学の名作の一つであるマ…

タブー編19/国民向け〇〇しようぜ!

日本人メジャーリーガーとして超人的な活躍を続ける大谷翔平選手(1994年生)が、 日本全国の全小学校と特別支援学校約2万校に対し3個づつ、総数約6万個の ジュニア用グローブを寄贈するというお話がつい先頃(2023年11月)ニュースに なっていました。 その折に添えられた大谷選手の言葉が「野球しようぜ!」 この言葉は「野球というスポーツに触れ、興味を持つきっかけに」との大谷選手の 思いからとされ、…