ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

異国編16/神武以前の列島神話と海外歴史

神話や考古学にあたる時代を別にすれば、日本の歴史は多くの場合、邪馬台国から 始まっている印象があります。 魏志倭人伝に「鬼道につかえ、よく衆を惑わす」と紹介されているのが、 その女王である卑弥呼です。 そして、その時期は、弥生時代が終わり古墳時代が始まる頃とされています。 そこで、念のためにWikipedia「日本史時代区分表」でそのあたりを確かめてみると、 確かにこうなっています。 〇弥生時代…

世界標準編29/八百万神の取扱説明書

たまたま手にした本のこんな一文が目に留まりました。 ~ユダヤ教には『聖書(旧約聖書)』、キリスト教には『旧約聖書』と『新約聖書』、  イスラム教には『コーラン』、仏教には各種の経典があるというように、  宗教には聖典があります~ いかに宗教オンチの筆者でも、このくらいのことは辛うじて承知しています。 ところが、次には意表を突いたこんな問いかけが。 ~神道にも聖典はあるのでしょうか~ うぅむ、筆者…

冗談?編23/神話と歴史のあしながおじさん

アメリカの女性作家ジーン・ウェブスター(1876-1916年)による児童文学に 「あしながおじさん」(Daddy-Long-Legs)という有名な作品があります。 大学進学のための資金を匿名の援助者から与えられることになった孤児院育ちの 少女を主人公とした物語です。 念のためですが、資金援助とは言っても、昨今流行の「援助交際」とか「パパ活」の 類ではありませんし、また物語の中にアナタのお好きであ…

ツッパリ編33/千人供養なんぞは堕地獄じゃ

たまたま遭遇した奈良の大仏さんの紹介記事には、こんなことが書いてありました。 ~(奈良・東大寺の大仏は)第45代・聖武天皇の発願で745年に制作が開始され、  752年に開眼供養会が行われた~ 現在からなら1,400年近くも以前のことになりますから「メッチャ大昔の出来事」 だと言っても大袈裟にはなりません。 そして、そこにはこんな一節も。 ~後世に複数回焼損したため、現存する大部分が再建であり、…

微妙編13/偏諱には栄誉も屈辱も?

半世紀(1787-1837年)もの長期にわたって征夷大将軍を勤め続けたことでも よく知られているのが、江戸幕府第11代将軍・徳川家斉(1773-1841年)です。 もっとも、この方はこの他のことでも割合賑やかな話題を提供しているのですが。  たとえば、 〇精力増強のためオットセイの陰茎を粉末にしたものを飲んでいた。  →そのため、陰では「オットセイ将軍」とも呼ばれた。 〇16人の妻妾を持ち、 5…

落胆編13/開祖たちの予期せぬその後

実際にはそれなり定義もあることでしょうから、以降に名を挙げる方々を一律に 「開祖たち」と呼んでいいのかどうかは判断しかねます。 しかし、「ある宗教の教えを最初に説いた人」という意味でなら、少なくとも そうした雰囲気の中にあったことは間違いないでしょう。 さて、今回取り上げる「ある宗教」とは、なにかと家庭問題や社会問題を引き起こして、 昨今なにかと話題に取り上げられている、いわゆる「新興宗教」の類…

言葉編37/皇族だよ全員集合!

つい最近、具体的な日付なら現地時間で本年2023年5月6日(土)になりますが、 イギリスでにおいて王チャールズ三世(1948年生)の戴冠式が行われました。 これが先代エリザベス二世(1926-2022年)から数えて、なんと70年ぶりの戴冠式 だったそうですから、それを見守る側の視線にも熱いものがありました。 この折に筆者が覗いた報道には、こんな記事が流れていました。 ~宗教典礼と華やかな様式を組…

事始め編31/用事ついでにお手紙も

たまたま遭遇した郵便局(日本郵便株式会社)のHPに「日本の郵便の始まり」と タイトルされた記事があったので、ついでのことに読んでみました。 ~明治4(1871)年3月1日(新暦4月20日)、東京・大阪間で官営の郵便事業  (制度)が開始された日をもって、日本の郵便の始まりとされています。  「郵便の父」として呼ばれている前島密(1円切手の図柄の人物)が、  明治3(1870)年に「駅逓権正(えき…

油断編14/合戦時代の情報取説

ひょんなことから戦国合戦にまつわるエピソードを一つ思い出しました。 ただ全体として、非常に面白おかしいお話になっているので、どこまでが史実 なのかについては筆者には判断が付きません。 「本能寺の変」(1582年)によって織田信長(1534-1582年)が倒れたその後の出来事。 それが信長家臣の羽柴秀吉(1537-1598年)陣営と、それに対する信長次男・ 織田信雄(1558-1630年)プラス信…

災難編20/神仏分離と修験道の禁教

たまたまのこと遭遇したこんな文章に、ちょっとした違和感を覚えました。 ~神道を国教とする方針を掲げた明治政府は、修験道廃止令(1872年)を発布し、  その実践や信仰を禁止した~ 宗教オンチが定評の筆者は、「深山に神宿る」ほどのイメージから、なんとなく 「修験道は神道傍系の信仰」という思いを抱いていたためです。 しかし、上の説明ではそうした忖度をさらさら持ち合わせず、むしろ神道からは 大きく外れ…

付録編21/ちゃっとGPT日本武尊

「人口頭脳」とか「人工知能」とかいう言葉は、その方面の知識にメッチャ疎い 筆者でさえ少なからず耳にしているくらいですから、それほど特殊な用語という わけでもないようです。 もっとも、その概念については、筆者レベルではボンヤリのままですが。 そこで、コトのついでにこの際その正しい意味合いもちょいと確認しておこうと思った 次第です。 すると、まずはこんな説明に遭遇しました。 ~人工知能は、「計算」(…

誤算編20/御落胤はいつの世にも現れる

歴史と呼ぶほどには古い時代の出来事ではありませんが、今からちょうど二十年ほど前 (2003年)にこんな事件があったことをご記憶でしょうか。 宮家の「御落胤」が結婚披露宴を開催したのです。 普通なら、それはそれでおめでたいことなのですが、この場合にはそうとは言えません でした。 なぜなら、その実態は巧妙に仕組まれた「詐欺」だったからです。 その出来事は「有栖川宮詐欺事件」と呼ばれ、こんな紹介になっ…

トホホ編36/ブラック企業の馘首と造反

ネットを徘徊中にヒョイと目に留まったのが「ブラック企業」という言葉の説明でした。 その言葉自体を知らないわけではありませんが、正直あまり関心を持ったことは ありません。 そこで、「折角の機会」ということもあって、ちょいと立ち寄ることにしてみました。 すると、のっけからこんな説明です。 ~労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業~ 「うわっ、メッチャ酷な職場だな」と思ったところ、さらに輪を掛けて追…

微妙編12/幕府時代の前中後期の他に

その日、家族から「ぼっち」のお留守番を申し渡されたのですが、なにぶんにも 手持無沙ですからTVを観ることに。 しかし、これがまた感心するほどにつまらなく作られていて、ほどなくギブアップ。 そこで、たまたまネットを眺めてみたところ、目を引いたのが東京大学による 「前近代日本史時代区分表」でした。 えぇ、「〇〇時代/✕年~✕年」といった形式で表現される例のそれです。 そのなかで、いわゆる武家政権、つ…

逆転編29/黒船来航からの半世紀ほど

江戸時代後期の天保年間(1830-1844年)ともなると、江戸幕府の体制には大きな 歪みが生じていました。 たとえば、年来の大飢饉のなかで大坂市中に餓死人が続出したのも、その一例で、 それを見かねた元大坂町奉行与力の大塩平八郎(1793-1837年)が当局に救済策を 上申したものの、拒否されたためにやむなく挙兵するに至ったのも、この天保年間の ことでした。 いわゆる「大塩平八郎の乱」(天保7年/…

信仰編15/神サマ仏サマは持ちつ持たれつ

旧ナントカ協会とか某カントカ証人とか、昨今日本では宗教・信仰がらみの話題が よく取り上げられています。 ただ、その内容があまり芳しいものではないのは、まことに残念なことですが。 しかしながら、宗教や信仰に対する解釈には微妙で繊細な一面があるのも事実の ようです。 たとえば、「唯一絶対神」の世界でも、そうしたことは言えそうな気がします。 えぇ、ユダヤ教とかキリスト教とかイスラム教とかの、元々は同じ…

例外編09/趣味はLLサイズの寄進です

「本能寺の変」(1582年)が起きる二年ほど前のこと、主君・織田信長(1534-1582年) から突如19ケ条にわたる折檻状を突きつけられて織田家を離れたという、いささか 気の毒にも感じられるエピソードを持つ織田家筆頭家老・佐久間信盛(1529-1582年)。 その信盛の従弟に当たり、同じく織田家家臣にあった佐久間盛次(生年不明-1568年)、 その四男として生まれたのが、今回お話に取り上げる佐…

忘れ物編34/元々の姿はちょい違っていた

先日、年配の方(いわゆるオジサン)からこんな話を振られました。 ~「電話」という言葉を聞いても、今ではスマホが標準になった感があり、  そのオリジナルである、いわゆる「有線電話」を即座にイメージする人は  とんと少なくなってしまった~ ある種の嘆きなのでしょうが、お話は続いて次には、 ~時計も同様で、数字で表示する「デジタル」式がどーんと増えて、針で表示する  タイプのいわゆる「アナログ」式は肩…

冗談?編22/先人の感覚は変体列島図から

現代人に「世界」というもののイメージを尋ねたら、多種多様な回答がある のでしょうが、その中には、地球儀とか世界地図などを思い描くと答える人も 少なからずいそうです。 なぜそう言えるかといえば、平均的日本人として定評のある筆者自身がその通り だからに他なりませぬ。 しかし、同じ問いを少し(随分?)昔の江戸時代の先人たちに投げかけたなら、 おそらくはこれとは違う答えが返ってくるのでしょう。 もちろん…

ライバル編12/地方王権バトルロイヤル

「しきりに多くの悪行をなさって・・・」との、あまり芳しからぬ評判が伝わる 第25代・武烈天皇とその皇后である春日娘子の夫妻は、ともに「生没年不詳」と されており、早い話が活動された正確な時期までは分かっていません。 また、この天皇皇后の夫妻には子女がないこと、さらには、皇后の父母共に その出自が未詳とされて、父が未詳という皇后はこの春日娘子が史上ただ一人という ことです。 さて、その第25代・武…