ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

偶然編17/五世の孫のお手柄異聞

ひょんなことから、いわゆる「子孫」に対する呼び方を探ってみることになりました。 「自分自身」を基準の「0世代」として眺めた場合、1世代下るごとにそれぞれが どんな呼び方になるかということです。 1世代目=子/2世代目=孫/3世代目=曽孫/4世代目=玄孫(げんそん やしゃご)、 多分ここらあたりまで知っている人はそうそう珍しくないでしょう。 なにせ筆者ですら承知していたくらいですからねぇ。 なぜな…

アレンジ編29/武家政権の日陰的将軍たち

組織のトップに征夷大将軍を据える形の「幕府」という政治方式を採用した 武家政権は、日本の歴史上に三つ登場しています。  しかも、そうした幕府の名称がそのまんま日本史の時代区分の名称にも採用されて いるわけですから、このことはかなり重大な意義を持つものと思われます。 念のために、そうした幕府を時代順に並べてみるとこうなります。 〇鎌倉時代/鎌倉幕府(1185?-1333年) 〇室町時代/室町幕府(…

ペテン編05/覆面蔵人の公文書偽造

最初にこのお話を知ったときには、てっきりよくある歴史ヨタ話の類かと思いました。 しかしどうやら然にあらずで、逆に歴とした史実ということです。 そこで幾分の前説を加えながら、そのお話を取り上げてみた次第です。 さて奈良時代以降の天皇の命令には「詔」とか「勅」があって、それらの総称を まんま「詔勅」と言ったようです。  それについてはこんな説明になっています。 ~(第42代)文武天皇の定めた大宝令が…

逆転編14/もののふの美学となった

10月のアメリカ大統領選挙に続き、11月に入ってからは国内の衆議院選挙、 さらには、その経緯が話題になった兵庫県知事選挙、ついでのことに筆者の 生息地での名古屋市長選挙と、このところあれこれの選挙が慌ただしく続きました。 そして結果といえば、アメリカ大統領選は事前予想されていた大接戦どころか 圧勝・惨敗の形になり、衆議院選挙は与党の過半数維持どころか大きく割り込み、 さらに兵庫県知事選挙は、伝え…

数字編12/イロハ歌の文字数はいくつ

日本人が一番好きな演劇は、最大公約数的になら「忠臣蔵」に落ち着くのかも しれません。 その源泉を辿ってみると、実際に起こったいわゆる「赤穂事件」(1701-1703年)を 題材にした芝居「仮名手本忠臣蔵」がメッチャの大人気を博したことに行き当たり そうです。 始まりは人形浄瑠璃の演目として登場しました。 ところが、 ~初演のときには「古今の大入り」、すなわち類を見ないといわれるほどの  大入りと…

トンデモ編12/御一行様なんと三十万人余

江戸幕府第二代将軍である父・秀忠(1579-1632年)とともに上洛(1623年)した 徳川家光(1604-1651年)は、朝廷より,将軍宣下を受けました。  第三代将軍の誕生です。 そして二年後、大御所だった秀忠が死去した際には再びの上洛を果たしました。 その大きな目的のひとつに、江戸幕府の権威を朝廷や諸大名に示すことがあったと されています。 この時期の江戸幕府はその権力基盤を固め、さらには…

微妙編16/大神は皇妃に成り代わる

前回の「信長塀」に続いて今回も話題は熱田神宮の境内散策になります。 しかし、どうやら以前にも同じようなテーマを扱ったことがあったようですが、 書き終わるまでてんで気が付かなかったという為体でしたから、まあそこは ゴメンナサイよ。 で、前回の「信長塀」の場所から北を向いてみます。 するとイヤでも「神楽殿」が目に入りますので、その東脇から北へ伸びて 少し下り坂になっている小径に足を進めてみます。 「…

謎解き編38/ハテナに遭遇した境内散策

筆者のお散歩コースのひとつに熱田神宮があります。 鬱蒼とした杜になった境内を散策するものですが、実はこの場所は歴史あるいは 伝承などの宝庫でもあるのです。 そんな中から、今回は「信長塀」取り上げることにしてみました。 その名称にある「信長」とは、もちろん戦国時代の大英傑であり、かつまた 地元出身者でもあるあの織田信長のことです。 知らない人でも知っているくらいの超有名人ですが、ここは念のためにち…

例外編14 幕府はやむなく引っ越した

用事があってふらっと自転車でお出かけしてみると、普段は通過するだけの商店街の雰囲気が いつもとはちょいと違っていました。 目立つ場所に「〇〇(商店街名)まつり」のポスターがあって、ついそれに 目が移ったのです。 「魔が差す」って、こういうことを言うのかもしれません。 そこには武士の時代を題材にした小さなイベントの案内があって、その前には 見るからにヒマ人風のオジサン?オジイサン?が二人。 そのや…

逆転編13/生来将軍は精進を心掛けた

江戸幕府第三代将軍・徳川家光(1604-1651年)のエピソードには割合ユニークに 感じられるものも少なくありません。 たとえば、将軍職に就任した際に諸大名に発したこんな言葉。  ~余は生まれながらの将軍である~ 将軍になる人自体が非常に稀である上に、そこに「生まれながらの」が付くのですから、 「割合に」どころか「すこぶるで強力に」ユニークな言葉だとしてもよさそうです。 その言葉は、これくらいの…

信仰編21/異神はその昔にも来ていた

異国の宗教である「キリスト教」が初めて日本に伝わったのは戦国時代のことと されています。 ~1549年にカトリック教会の修道会であるイエズス会のフランシスコ・ザビエルに よる布教~ これが最初だとされ、教科書などもこの内容をもって定説としているようです。 これを逆に言うなら、こうなります。 ~(公式には)1549年以前の日本民族は異教「キリスト教」に遭遇していない~ そこで、その「キリスト教」の…

冗談?編16/鳴かぬホトトギス余話

織田信長>鳴かぬなら・殺してしまえ・ほととぎす 豊臣秀吉>鳴かぬなら・鳴かせてみせよう・ほととぎす 徳川家康>鳴かぬなら・鳴くまで待とう・ほととぎす ホントに御本人が詠ったかものかどうか、そこいらへんはいささか怪しく感じられる ところもありますが、戦国の英傑とされる御三方の気性を的確に表しているとして 有名な歌です。 そこで筆者はこう考えた。 ~「マユツバ込みでも可」ということなら、なにも三英傑…

微妙編16/とある天皇の諡号と皇后

あれこれの異説もあるようですが、通説に従えば初代・神武天皇から第44代・元正天皇 までの歴代天皇の諡号は、淡海三船なる人物が一括で付けたものとされています。 とはいうものの、第39代・弘文天皇はその中に含まれていません。 それはある意味当然なことで、明治時代になるまでその「即位」はなかったとされて いたからです。 ちなみに、その「淡海三船」(おうみ の みふね/722-785年)に触れておくと、…

トンデモ編11/退却殿軍はウラ最前線

まっこと突然ですが、漢字「殿」の読み方を幾つご存知でしょうか? ネット上のgoo辞書で確認してみると、こんな説明になっています。 〇音読み/デン・ テン 〇訓読み/との・ どの  これらはどちらも一般的な読み方で、特段のビックリはありません。 ところが例外的な訓読みもあって、その場合は「しんがり」とされています。 ついでに「殿」の字そのものが持つ意味合いも押さえておくとこうなっています。    …

付録編19/相国寺三山の文化と画僧たち

筆者の生息地・名古屋において少し先に「相国寺展」なる催しが予定されていることを つい先日の地元新聞の日曜版(2024・09・24)特集記事で知りました。 よく見ると主催者の一覧にその地元新聞社の名もあったので、ある種の「宣伝記事」 ということかもしれません。 この記事の総タイトルは「相国寺と絵師」とされ、ちょっとばかり迫力を感じさせる 案内になっています。。  ~室町幕府・足利義満の発願によって…

お国自慢編19/地元都市古墳のひょんな魅力

筆者が常の生息地としている「名古屋市熱田区」の地で有名な場所と言えば 「熱田神宮」を挙げる人も少なくありません。 なにせ、この国の始まりの始まりである「天孫降臨」の際にアマテラス(天照大神)が 孫のニニギ(瓊瓊杵尊、邇邇芸命)に授けた三種類の宝物、いわゆる「三種の神器」の 一つである「草薙剣」(天叢雲剣)を祀っていること。 さらには、十年ほど前の2013(平成25)年には「創祀千九百年大祭」が行…

事始め編35/時代の気分転換は元号で

現在の「令和」とか、さらにその前の「平成」や「昭和」など、年を示すのに用いる 名前を「元号」(げんごう)と称しています。 他にも、「和暦」(われき)とか「年号」(ねんごう)との言い方もあるようですが、 では、最初の「元号」はいつ始まったものでしょうか? この事件が起こったことが、そのキッカケだと説明されていました。 ~第34代・舒明天皇の皇子であった中大兄皇子は、中臣鎌足らと謀って、  大和王朝…

トホホ編40/三八式歩兵銃の生涯現役

先日昼メシに入ったお店の屋号が誘い水となって、今回の話題をなんと 「三八式歩兵銃」にした次第です。 臨機応変というべきか行き当たりばったりというべきか、そのへんのところはよく わからないのですが、まあ毎度のことでもありますので各位様におかれましては 今回も気持ちを強く持ってください。 さて、その「三八式歩兵銃」とは? ざっとこんな説明になっています。 ~「三十年式歩兵銃」を改良して開発され、19…

付録編28/維新後八十年の四民平等

江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜が政権返上を明治天皇へ奏上し勅許された、いわゆる 「大政奉還」がなされたのは1867年のことでした。 歴史区分の説明なら「江戸時代が終わって明治時代が始まった」という表現になる のでしょうか。 「太平の眠り」の中で「黒船来航」(1853年)に遭遇した後の江戸幕府はこれまで 意識する必要もなかった「西欧諸国」と接触する機会が増えたことで「国際社会」と いう新しい環境に…

信仰編20/きつねと稲荷の世間話

「赤いキツネと緑のたぬき」との名称を持つ和風カップ麺商品があります。 製造販売元は「東洋水産」で、正式名称は頭にブランド名「丸ちゃん」を冠した、 「マルちゃん 赤いきつねうどん」、「マルちゃん 緑のたぬき天そば」となるとの ことです。 普段はあまり思い出すこともない、この「赤いきつねと緑のたぬき」という言葉を、 今年は思いがけない場面で耳にしました。 ええ、「東京都知事選挙」(投票日:本年7月7…