ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

陰謀編37/暗殺犯の秘めたる鎮魂像

何物についても「日本三大◯◯」という表現はあるようで、例えば先日はなどは 「日本三大灯籠」なんてものにぶつかって、かなりマニアックな「三大」が あるものだと、ある意味感心したものです。 お話のついでに、その「三大灯籠」についてもちょっと触れておくと、それは こんな案内になっていました。   〇南禅寺(京都府京都市) 高さ6.0M /奉納1628年/佐久間灯籠 〇熱田神宮(愛知県名古屋市) 高さ8…

誤算編22/天皇をクビにした実力者

数年前のことですが、生前に譲位された天皇が「上皇」となられた際にメディアは こんな案内をしました。 ~天皇が生前退位するのは約200年ぶりのこと~ そうかもしれんなぁ。  現上皇の先代である第124代・昭和天皇(1901-1989年)も、またその先代の 第123代・大正天皇(1879-1926年)も、第122代・明治天皇(1852-1912年)も、 さらには幕末期の第121代・孝明天皇(1831…

冗談?編25/征討軍頓挫の真相を探る

「和」を説き、さらには「仏教」を保護したという事跡を承知しているせいか、 少なからずの人が、「聖徳太子」(574-622年)の人柄には、平和で穏やかという イメージを持っています。 しかし反面で、政治家としての太子が厳しい「軍事的決断」を迫られる場面に遭遇した ことも、当然のことながら事実です。 そうした場面の一つに、いわゆる「新羅(しらぎ)征討」という出来事を挙げることが できそうです。 ちな…

タブー編22/天皇を超えろ諸々大作戦

この国では長い間、天皇が至高の存在とされてきました。 現代日本人の意識はともかくとして、民族の歴史的な信仰心という点ではそのように 表現しても構わないのでしょう。 なぜなら、その信仰心は~天皇とは天から降臨された天照大神の御子孫である~と しているからです しかも、この国の始まりに際して、その天照大神ご自身が孫の瓊瓊杵尊 (ににぎのみこと)に明瞭にこのように申されているのです。 ~いいこと、豊か…

例外編12/御三家なれど将軍家より天皇家

戦国群雄の世を最終的に把握した徳川家康(1543-1616年)には高齢になってから 儲けた三人の男子がありました。 長幼の順にこうなります。  〇九男・義直(1601-1650年)/尾張名古屋藩の初代藩主。  〇十男・頼宣(1602-1671年)/紀伊和歌山藩の初代藩主。 〇十一男・頼房(1603-1661年)/ 常陸水戸藩の初代藩主。 各々の誕生の折に家康がどれほどの高齢だったかと言えば、九男…

発明発見編30/大判小判は世界の非常識

世界的にはほとんどが「丸い形」をしている金貨ですが、大判・小判と呼ばれる 日本の金貨はなぜか「楕円形」をしています。 もっとも正確に「真・楕円形」なのか言えば、実はそうでもありません。 これは精密な計測をしなくても一目瞭然で判断できるところです。 では表現を変えて、長方形の両短辺に円弧をくっつけた形かと言えば、これも 必ずしも正しい説明とは言えません。 長辺の方もちょっとばかり微妙な曲線を描いて…

落胆編15/北海ニシン漁の盛衰を歌う

昨今の日本の漁業環境には大きな変化が見られるそうで、その原因のひとつに 考えられているのが“海の温暖化”のことです。 たとえば過去30年を比較した場合、なんでも海水温が2~4℃ほども高い海域がグンと 増えて、しかもこうした傾向がここ5年ほど続いているとされています。 そのため、近年では漁獲量の激変が見られるようになり、たとえば北海道ではサンマや スルメイカなどが従来の1~2割程度まで落ち込む一方…

列伝編24/時代をにらんで発想の転換

戦国の世では、いざ戦さともなれば普段は農作業に従事している農民たちが 「徴収兵士」として駆り出されました。 「専業兵士」という存在がまだない時代ということもあって、これは領国を維持・ 保全するためには止むを得ない方法でした。 しかしその場合には、いささかの不都合もありました。 それは一年365日いつでも戦に臨めるわけではないということです。 領国の基幹産業である農業に従事することと、また領国の安…

誤算編21/不便な礼装にはワケがある

長さを示す一対の言葉として最初に思い浮かべるのは、やはり「長/短」になります。 ところがこれには例外もあるようで、たとえば衣料系などは「長/半」になることが あります。 たとえば、シャツの「長袖/半袖」がそうですし、最近はあまり使われなくなった 言葉とはいえ、「長ズボン/半ズボン」もそうなっています。 で、その「長ズボン/半ズボン」の見た目についての説明は、このくらいになるので しょうか。 〇長…

タブー編21/神器をあれこれ詮索する

いわゆる「天孫降臨」は、一般的にはこのくらいに説明されるようです。 ~皇室の御先祖が高天原から天降り、この国を豊かにそして平和に治められていく  様子を語り伝えるもの~ そしてこの際に天照大神から弟の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト/以下ニニギ)に 授けられたとされるのが「三種神器」です。 その「三種神器」とは鏡・玉・剣の三種を指し、それぞれは以下のような名称で呼ばれ、 さらには、このようなモノであると…

付録編26/男も女も座り方を変えた

いまさらの感がありますが、いくつかのTV時代劇を観て、ひょいと気が付きました。 ~戦国時代と江戸時代の武士の座り方には違いがあるゾ~ もっともソファーに腰を下ろすシーンはあまり見かけませんから、つまりは 正座(せいざ)と胡坐(あぐら)のことになります。 「正座」というからには、これが日本人のその昔からの「由緒正しい座り方」という 意味だとばかり思い込んでいましたが、ところが真相はどうもそうでもな…

ツッパリ編34/反骨将軍のアリバイ工作

自らが創業して以来、長きにわたってワンマン体制で臨んできた初代社長は、 二代目以降の後継社長について、こんな腹積りを持っていたようです。 ~弱肉強食の時代も終わってのだから、ワシのようなワンマン経営はもう必要が  なくなった。   だからして、次代以降の社長たちは経営実務を重役連中の合議に任せ、その結果を  黙って決済するだけにせよ。  ええか、これが会社を永続繁栄させる秘訣だぞ~ 実際その後の…

忘れ物編37/民族のお日サマ好き症候群

世界の中でも、これほど「太陽/お日サマ」にこだわりを持つ民族はそうそういない のではないでしょうか。 えぇ、この列島に棲んでいる、いわゆる「日本民族」のことです。 まず、その国の名前からしてが、「日本」(日の本)にしているという厳然たる事実が あります。 そして、この「日」ってのは、まさにその「太陽/お日サマ」のことですものねぇ。 歴史的に見るなら、それこそ「倭国」とか「邪馬台国」とか、あるいは…

偶然編05/昔日の医術・病気に鉢合わせ

つい最近のこと、思いがけない出来事が重なる経験をしました。 「重なる」という以上は、複数の出来事がほぼ同時に起きなくてはなりません。 筆者の場合だと、その一つ目がまずDVD映画で、二つ目がWikipediaでした。 普段はまずしないことなのですが、身の回りの片付け物に精を出したのです。 すると、数枚のDVD映画がひょっこり姿を現しました。 思わぬラッキーということもあって、保管状態の確認も兼ねて…

トホホ編39/建前だった?三界に家無し

「現代日本人」が「昔の女性の生活ぶり」を知る方法は、結局のところ書物・絵画 などの史料や、映画やTVドラマなどの作り物を通じてであり、これは仮想体験とは 言えても、決して実体験ではありません。 ですから、知った気分になっているだけだとも言えそうです。 その上に、江戸時代やそれに続く明治時代なぞは、多くの日本女性にとって、ある意味、 受難の時期だったとも理解されています。 その理由の一つには、江戸…

付録編24/米将軍の享保アブク飯

最近はあまり耳にする機会がありませんでしたが、ぼんやりTVニュースを眺めて いた時についつい思い出した言葉があります。 「あぶくぜに」・・・漢字なら「泡銭」と書きます。 そして、その意味は、 ~働かずに、または正当な労働によらないで、あるいは不正な手段によって得た金銭~ 勘の良い方は既にお察しかもしれませんが、えぇ、そのTVニュースは自民党派閥の、 いわゆる「パーティー券問題」を報じていたのです…

謎解き編37/生年未詳なれど数え11歳

~古典文学『太平記』の名場面のひとつで、国語・修身・国史の教科書に必ず載っていた  逸話であり、いわゆる戦前教育を受けた者には大変有名な話であった~ こんな説明に接したとしても、その「戦前教育を受けた者」になる方々が今や 絶滅危惧種?並みの現在では、その「大変有名な話」の有名度もイマイチよく 分かりません。 そこで、その『太平記』の名場面とはどのようなものなのか、Wikipediaを頼りに しな…

大雑把編11/古今と東西の出来事並べ

随分と迂闊なことですが、つい最近になって、日本と外国との相互間の、いわば 「歴史の同時性」という面で、筆者には随分と疎い面があることに気付いた次第です。 何を言いたいの? たとえば、こういうことです。 海の向こうでかのシェークスピアが活躍をしていたその時代に、日本国内では一体 どんなことが起きていたのだろうか?  面のために申し添えれば、そのシェークスピアとは、このシェークスピアのことです。 ~…

タブー編20/戦時の歌からイマを覗くと

(一応は)平和な環境にある21世紀の現代日本には、20世紀に親しまれた軍歌や 戦時歌謡曲がほぼほぼタブー視されているような雰囲気があります。 確かにその点には微妙なものがあるようで、誰かがついうっかり「ボクは軍歌が 大好きです」なんて漏らそうものなら、もうそれだけで「戦争好き/軍国主義者」と いうレッテルを張られかねない印象です。 でも、少し冷静に考えれば、推理小説のファンが必ず殺人狂というわけ…

怪人編36/乱暴者で図々しくて恥知らず

~武士Aが従弟であり同僚の武士Bの妻Cに横恋慕し、その挙句に殺人を犯した~ 現代なら、さほどに珍しいとも思われないお話ですが、「武士」が登場している のですから、お話は昔の昔のことに違いありません。 その辺にいささかの興味を覚え、今回ちょっと首を突っ込んでみることにしたものです。 さて、武士とは紹介されていますが、AもBもいわゆる「北面の武士」とのことです から、どうやら武士政権の鎌倉幕府が成立…