ヤジ馬の日本史

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微妙編18/武士なれど侍にあらず

住兵衛

面白いから読め読めとの、ちょいとした強要をひょんなことから受けるハメに

なりました。

それが井原忠政著『三河雑兵心得』シリーズ(双葉文庫)であって、そうした経緯から

今回のそのうちの「拾四/豊臣仁義」のなかの一文から話題をつまみ出して

みることにした次第です。


ともかく、シリーズ「第14巻」ということですから、早い話がメッチャ人気のある本と

いうことになるのでしょう。

発行部数探ってみると、とっくの昔に「100万部」超えしているようです。


読むことを強要されたこともあって、図書館には割合早めに予約申し込みをして

おいたのですが、人気の姓でしょうか、実際に手にするまでは結構長い順番待ち期間を

必要としましたっけ。

ちなみに、このシリーズの第1巻についてはこんな紹介になっています。


~喧嘩のはずみで人を殺め、村を出奔した18歳の茂兵衛は、松平家康の家来である

 夏目次郎左衛門の屋敷に奉公することになる。

 だが、折しも一向一揆が勃発。 熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は

 「君臣の縁は一代限り。弥陀との縁は未来永劫」と、一揆側につくことを決意する。

 武士人生ののっけから、「立身出世」どころか国主に弓を引く「謀反人」に

 なってしまった茂兵衛~


   

~「武士」と「侍」は時代によって定義が異なってくる~


そうした境遇にあった「茂兵衛」がいろいろな経験を積んみながら、次第に出世して

いく物語になっていますが、この「第14巻」ともなると、齢を重ねた茂兵衛は

「鉄砲百人組」を率いるまでに出世をしています。


~(茂兵衛は)家康の命を受け、鉄砲百人組を引き連れて東海道を一路東へ向かうが、

 途上、何者かの襲撃を受ける~

こんな紹介ぶりで、それはそれで波乱万丈の物語として大変に面白い出来ています。

そして、実はその「第14巻」の一節にこんな文言を見つけたのです。


~「武士」と「侍」は時代によって定義が異なってくる。

 戦国時代に生きる茂兵衛たちの感覚では、「武士」には徒士武者や足軽はもちろん、

 野伏(のぶせり)や浪人も含まれた。

 一方「侍」は武士のうちの上位階級者を指す印象だ。

 規定があるわけではないが、ざっくり「騎乗の身分」以上を「侍」と認識している。

 足軽小頭は徒士武者だから、武士ではあっても侍とは呼べない~


ええ、戦国時代においての「武士」と「侍」は同じ存在というわけではない、

と言っているわけです。

そこで、それを確かめるべくAIにも目をやることにしました。


すると、こんな答えが返ってきたのです。

~「武士」と「侍」は似た意味を持つ言葉ですが、厳密には違いがあります~

おお、やっぱり違うのか。

そういうことなら、折角の機会ですからその見解も拝聴しておこう。


すると、

1・ 武士(ぶし)

 〇広い概念→武士は、武芸を修め、武力をもって仕える階級全体を指します。

 〇職業・身分→平安時代後期から明治時代まで、日本の封建社会で

        軍事・政治を担った武装した階級のことです。

 〇範囲が広い:→「侍」よりも広い概念で、武士階級全体(大名、旗本、御家人など)

        を含みます。


あれあれ、筆者はこれまで、それほど神経質に使い分けていなかったのに、

実際には結構シビアな定義?があるようです。

そして、


2・ 侍(さむらい)

 〇武士の中の特定の階層→ 侍は「武士」の中でも、主君に仕えて働く者を指します。

 〇語源→「侍(さぶらい・さむらい)」は「仕える者」という意味の動詞

     「さぶらふ(候ふ)」からきています。

 〇江戸時代以降の定義→武士の中でも、上級武士(大名や旗本)に仕える下級武士を

            特に「侍」と呼ぶことが多くなりました。


<簡単なまとめ>

 〇「武士」 = 武士階級全体を指す広い言葉

  〇「侍」 = 武士の中でも、主に主君に仕える者


そして、その説明も補足されていました。

~たとえば、戦国大名や将軍も「武士」ですが、彼らは誰かに仕える立場では

 ないので「侍」とはあまり呼ばれません。

 一方で、家臣として仕えている者は「侍」と呼ばれます。

 つまり、「侍」は「武士」の一部であるということですね~


   主君と家臣(侍)


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なるほどねぇ。

それなりに得心はいったものの、念のためにWEB上の「武士」と「侍」の説明も

覗いておくことにしました。


武士(ぶし)とは、

~武芸を習い、軍事に携わった人を指します。

 中世、近世には支配層として武家政治を担いました~


そして、【武士の由来】とする項目には、

 〇平安時代に、土地を切り開き、農業などをして暮らす人々のなかには、

  領地を守るために武芸にはげむ者がいました。


 〇貴族に支配される都に対し、地方では有力な農民が豪族として力をつけ、

  彼らが自衛のために武装するようになりました。

 〇問題のある地方へ、都が武力に優れた人を派遣したり、地元の豪族を平定役に

  任命したりしました。


さらに、補足されている【武士と侍の違い】の項目には。

 〇「武士」は、刀を持って戦うことを生業としていた人々全般のことです。

 〇「侍」は、厳密には貴人に仕えるような高い地位にある武士に使われる言葉です。


さらにご丁寧に、【武士の後の歴史】の説明も。

 〇明治になり、武士の多くは士族となり、旧武士の身分は消滅しました。

 〇しかし武士道という概念が後の時代に引き継がれるようになりました。


なぁるほどねぇ。 だったら「侍」は?

こんな説明になっています。

~侍(さむらい、サムライ)は、古代から中世にかけての日本における官人の

 身分呼称、あるいはそこから発展的に生じた武士の別名であり、現代では

 武士の同義語としても使用されている。

 「伺候(しこう)する」「従う」を意味する「さぶらう」(旧仮名遣いでは

 「さぶらふ」〈候ふ/侍ふ〉)に由来する~


「侍」という言葉が「さぶらふ」〈候ふ/侍ふ〉)に由来する、ということなら、

なるほど、「侍」はすべて「主君/主人」を持っているわけだ。

ところが、「武士」のほうは「主君/主人」を持たない野盗なども含まれるって

ことになるのか。


なるほど、人気の本ってストーリーの展開が面白いというだけでなく、読者が持つ

知識欲のツボ・琴線にも抜かりなくきちんと触れているということのようです。

やっぱり、そうでなきゃ、100万部も売れないよなぁ。


それはそれとして、しかしまあこのシリーズ、一体どこまで続いていくのかしらん。

「図書館予約」をしても、次の巻が届くころには前巻の展開をすっかり

忘れちゃっているために、筆者的には、なにかしら堂々巡りしているような気分、

なきにしもあらず、といったところかな


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