ヤジ馬の日本史

日本の常識は世界の非常識?この国が体験してきたユニークな歴史《日本史》の不思議をヤジ馬しよう!

数字編14/七福神に宗教カオスの香り

住兵衛

新年おめでとうございます・・・今年もよろしくお願いいたします。
お約束のご挨拶はこれくらいとして、さて、新春ということもあって、
本年最初の話題として、めでたいテーマを選びました。
ズバリ「宝船」と今年の干支である「蛇」と、そして「七福神」です。
ええ、どれも年賀状イラストなどでよく知られているものです。


Wikipediaにはこんな説明があります。
七福神(しちふくじん)とは、インド伝来の仁王経の中にある
 「七難即滅 七福即生」という仏教語に由来する、福徳の神として日本で
 信仰される七柱の神である~


ということは、「ナントカ ノ ミコト」と名乗るような純粋系・日本の神様ではない
ことになりそうです。 で、続く説明は、
~七柱は一般的には、恵比寿/大黒天/毘沙門天/弁財天/福禄寿/寿老人/布袋
 とされており・・・~


ここでその「七福神」のメンバー各位のお名前が紹介されているのですが、
それについては、
~それぞれがヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々な背景を持っている~との
ことで、宗教宗派の名がやたらと出てきて結構ややこしいお話になっています。


しかし皆様の「七福神」に対する理解を深めるためには、それぞれの宗教についても
一応それなりの知識は必要でしょうから、気を効かせて以下のように整理してみました。

 七福神/宝船


ヒンドゥー教→インドを起源とする世界最古の宗教の1つであり、教祖は存在せず、
        多様な神々を崇拝し、輪廻転生や業(カルマ)といった哲学的な
        概念を重視する。
        キリスト教、イスラム教に次いで世界で3番目に多くの信者を持つ。


仏教→釈迦(ブッダ)が紀元前5~6世紀頃に説いた教えであり、その教えに従って
    修行・実践し、悟りや解脱(涅槃)を成道することを目標とする。
    世界三大宗教の一つ。


おやっ面白いですねぇ。
「世界で3番目に多くの信者を持つ」とされるヒンドゥー教なのに、
「世界三大宗教」にはランクインしていないのです。 なんで? 


その理由はこんな説明になっています。
~信者数は、キリスト教が20億人、イスラム教が16億人、仏教が4億人程度とされ、
 ヒンドゥー教の方が11億人程度なので仏教よりも多い。 ただヒンドゥー教が

 三大宗教に入らない理由として、民族宗教であることが考えられる~


さらに深入りすると、ここにある「民族宗教」とはこんな定義になるようです。
~特定の民族によってのみ担われる宗教であり、その民族の伝統や習慣と
 強く結びついて成立・存続する~


具体的には、このヒンドゥー教の他に、ユダヤ民族の「ユダヤ教」
日本の「神道」などが挙げられ、その対意語は「世界宗教」になるとのことですから、
ウワッ、とてつもなく複雑怪奇は世界へ踏み込んでしまったようです。
しかし、ここで音を上げるわけにはいきません。
まだ、手つかずがままになっている宗教があるからです。


道教→中国の古代民間信仰を基盤として、老子(前571-前470年)を教祖として
    生まれた民族的宗教で、不老長生や現世利益を目的とした
    中国三大宗教儒教・仏教・道教)の1つ。


神道→開祖や教祖、教典を持たず、また、一神教とは対照的に森羅万象
    あらゆるものに神が宿るという思想に基づく信仰。


ここまで「様々な背景」についての整理をしたところで、さていよいよ本題の
「七福神」です。
こちらも先に挙げられた順番に補足説明を加える形にしてみましょう。


恵比寿→七福神の中で唯一の日本古来の神様。
     昔の人は、砂浜に打ち上げられた漂着物を「神様からの贈り物」として
     それらを恵比寿と呼んでいたのが始まりで、今では漁業の神様、
     商売繁盛の神様として親しまれる。


大黒天→ヒンドゥー教の神と日本古来の大国主神の習合。
     恵比寿と並んで、農業と漁業を司る二柱一組で信仰されることも多く、
     財福無量・商売繁盛・食物・財福を司る。


毘沙門天→元はヒンドゥー教の福徳増進の神であったが、仏教に取り入れられてから
      戦いの神として信仰される。


弁財天→元はヒンドゥー教の女神で、七福神の中の紅一点
     仏教では、音楽・弁才・財福・知恵の徳のある天女となった。


福禄寿→道教の神で南極星の化身で、元々は後出の寿老人と同一人物か?
     は子孫繁栄を意味し、安産や子宝・家門繁栄、
     は財産や身分・金運のご利益、
     寿は長寿を意味し、健康のご利益を意味する。


寿老人→道教の神で南極星の化身で、元々は前出の福禄寿と同一人物か?
     七福神の一人としては白鬚(しらひげ)明神とされることもある。


布袋→唐の末期に実在したといわれる仏教の禅僧。
    手にした袋から財を出し与えてくれ、弥勒菩薩の化身とも。


なるほど、
~それぞれがヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々な背景を持っている~ことや、
その上に様々な「福」をもたらしてくれていることがよく分かります。


ところが、驚くのはこの案内です。
七福神に一神を加えて八福神としているケースもある~
「福」は多くあっても決して迷惑にはならない、という思考なのかもしれません。


それはまあいいとしても、そんなら、あと一神にどなたを迎えるというのでしょうか。
どうやらこれにきつい縛りはないようで、筆者が覗いてみた範囲でもこんな神々の
名が挙がっていました。
~お多福/吉祥天/達磨大師/宇賀神(男弁天)・・・~


「七福神」との不公平を避けるには、こちら「八福神」の神々も同様に紹介する
必要がありそうです。
ええ、お多福/吉祥天/達磨大師/宇賀神(男弁天)・・・の方々です。

   

  アメノウズメ / 宇賀神


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お多福(おかめ)→滑稽な表情の「お多福/おかめ.」の面は、日本神話の女性で
          「岩戸隠れ」の伝説などに登場する芸能の女神であり、
          日本最古の踊り子であるアメノウズメであるとされる。


吉祥天→元はインド神話に由来する女神であり、福徳や豊・美・幸運などの
     ご利益を授ける仏教の神で、父=徳叉迦/母=鬼子母神/
     夫=毘沙門天/妹=黒闇天とするエリート神家族の一員。


達磨大師/インド国王の第三王子として生まれ、仏教の第二十八祖菩提達磨になった
      ことになっているが、その歴史的真実性には多く疑いも持たれている。


宇賀神(男弁天)→日本で中世以降、財をもたらすとして信仰された福神で、
          その姿は、人頭蛇身で蜷局(とぐろ)を巻く形で表され、
          頭部も老翁や女性であったりして一様ではない。
          元々は穀霊神・福徳神として民間で信仰されていた神では
          ないかと推測されている。


ついでに、その「七福神」が乗る「宝船」についても探りを入れてみると、
~宝船(たからぶね/ほうせん)とは、珊瑚・金銀・宝石などの宝物を積み込み、
 七福神や八仙が乗る帆船~


ただし、こんな補足もありました。
~宝船のようになったのは後世の事で、元はもっと素朴なもので、悪夢を
 乗せて流すという「夢違え」または「夢祓え」の船が原形だという~
要するに、神道における「穢れ/清め/禊」といった思想に繋がっていることも
考えられることになりそうです。


ということで、八福神候補の一柱である「宇賀神」が今年の干支の「蛇」に大きく
関わっていることと、また同時にこの「宝船」「新年をあらわす季語」
なっているとのことですから、まあ偶然のこととはいえ、今回はそれなりに
タイムリーな話題を選択したことになりそうです。


さて、本年の皆様におかれましては、運よく「大吉」のおみくじを引き当てる
ことができましたでしょうか?
中には、毎年のこと「大吉」を当てるまで引き続ける方もいるそうですから、
御神託を授ける側も何かと気を遣うのかもしれませんねぇ。


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